手考足思

日々かんじることを綴ったもの

2017年に向けて

毎年のことだが、年末に一年を振り返るとき、今年は新しい経験をたくさんしたなぁと思う。人と比べてどうかは分からないけれど、自分なりにはたくさんした、と思う。

 

一つは銀座で働き始めたこと。この出来事の意味は、お金を稼ぐという側面よりも、お金の価値を考えるきっかけになったという点で良かった。

それから、自分の女としての価値を認識することができた。決して万人に受ける訳ではないけれど、どこかに通じるものを感じて気に入ってくださる方もいるのだということが分かって自信につながった。

 

二つ目は人との出会い。同い年のDJ、女優を目指している女の子、バーの店員、ワークショップで同じチームになった人、それから近所の飲み屋でも父親世代の飲み友達ができた。

大学に行って卒業して企業に勤めて…という生き方がわたしを含め周りにいる人の中では多数派を占めているけれど、こうして偶然知り合った人たちは必ずしもそうではない人もいて、だから話が新鮮で面白い。

皆、やりたいことをやって生きているのが刺激になる。

 

三つ目は自然農法を学ぼうと決めたこと。バンタンで料理を学んでいるときから興味の矛先は素材に向きつつあったが、夏休みの岡山旅行で見たもの、出会った人によって決意が固まった。農をやらずにわたしのやりたい食は出来ない、と。

ちょっと話が逸れるが、地方への興味はドチャベンから始まったなぁと思う。ビジネスプランのピッチが終わってからはすっかり、元のサラリーマン生活に戻ってしまっていたけれど、四月に異動があり今までと少し違う仕事をしはじめてから、これから先もこの会社で働き続けることを考え始めた。本質的に物事を考えようとする人には向いている部署だと先輩は言っていて、たしかにその通りだと思いつつも、正直に言えばわたしには荷が重いとも感じていた。

というのも、コンサルタントを名乗るには圧倒的に経験が足らないし、ここが一番大事なポイントだと思うけど、ここで努力を積んでコンサルタントになりたいとも思っていないことに気がついたから。

じゃあ何をやろうかなってことで岡山に旅に出ることにした。そうして美作で、西粟倉で、智頭で、蒜山で、わたしもこうありたい、こんなことができたら素敵だな〜と思う人やものに出会った。

 

そして新年を迎えた。

この一年は学びの年になる。収入もなくなるけれど、長い人生の一年くらい、そんな経験があっても良いかなと思っている。

研修中は自然農法のやり方を学ぶだけでなく、出口戦略も考えたい。自然農産物の流通方法や、素材を最大限生かした料理、調理法といった、生産から消費者の手に渡るところまでのプロセスを一つひとつ検めながらきちんと自分の頭で考えてデザインしていきたい。